イベント内容
〓加害者との面接でお困りの現場の方に、朗報です.〓
DV防止法の施行以後、精神科クリニックや相談室に来所するDV加害者が増えており、加害者の心理療法の方法論に関する研修の必要性が高まっています。しかし、加害者は言い訳や自分の考えの正当化などにより変化しにくく、臨床家にとって独特な困難を感じさせます。
この研修会では、DV克服を願う男性の変化を、丁寧に、そして徹底して促進するための有効なアプローチを提供してきました。関心のある方のご参加をお待ちしております。
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【今回の内容:彼女と対立した局面を適切に扱う ―― 健康なパートナーシップの習得】
DV加害者は、パートナーとの関係で多くの困難を抱えています。典型は、相手と意見が対立した時です。その場合の加害者の方針は、「自分の思い通りにする」「自分の考えに従わせる」、すなわち支配・コントロールです。当然、加害者は「自分は正しい」「相手は間違っている」との前提で物事をとらえています。一時、パートナーに意見を譲っても、不満がたまり、最終的には「自分の思い通りにする」結果となります。
「相手と意見が対立したら、全てが終わり」ではありません。健康なパートナーシップを備えている人が、いかなる「方針」と「スキル」で相手に対しているか――これこそ加害者が習得すべき側面です。今回は、そのノウハウを、面接デモンストレーションを通じて提供します。さらに、以上の「対立の際、適切に扱う対応」を、加害者が悪用する可能性もあるため、それを防止する面接スキルについても、紹介する予定です。
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●このアプローチは被害者支援との整合性を大切にしており、被害者の面接にも大いに役立ちます.
●こだわりの強い加害者クライエントを揺さぶり、臨床家のペースに持っていく面接スキルがあります.
●加害者クライエントの面接に関して、戸惑いなく確信をもった方針で運営できるようになります.
●本研究会で学ぶスキルの多くはbrief therapyの応用で、他の困難ケースの面接に広く活用できます.
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■関連論文:草柳和之「DV加害者更生プログラム-体系化された加害者の心理療法序論」
『こころの科学No.172/2013.11』(日本評論社)
〔日 時〕2019年5月19日(日)14:00~17:00 (終了後,懇親会)〈次回:2019年8/4(日)〉
〔講 師〕草柳和之(大東文化大学非常勤講師) ?平成27年度・社会貢献者表彰を受賞